2年生エース福岡真一郎を擁する鹿商工がセンバツ8強
記念大会となった第65回センバツ大会には、例年より2校多い34校が出場。
鹿児島県からは昭和35年以来33年ぶりに1県2校が出場し、県民の期待は膨らんだ。期待にこたえるように鹿商工、鹿実は2回戦で南部(和歌山)、関西(岡山)をそれぞれ下して初戦を突破。
3回戦で鹿商工は2年生エース福岡真一郎が好投し、東北(宮城)に4-0で完勝したが、鹿実は優勝した上宮(大阪)に1-11で敗れた。
センバツ初のベスト8入りを果たした鹿商工は準々決勝で強打・国士館(東京)と対戦。守備の乱れや福岡の不調もあって1-6で敗れ、県勢初のベスト4入りはならなかった。
決勝で大宮東(埼玉)を下した上宮は春夏を通じて初優勝を飾った。
エース竹山徹を擁する頴娃が春の県大会を制す
春の九州大会県予選には、センバツ大会出場の鹿実、鹿商工を除く70校が出場。
ダークホースの頴娃は活発な打線とエース竹山徹の踏ん張りでノーシードとは思えない戦いっぷり。
準決勝の鹿児島戦は延長11回を5-4で制した。
決勝でも鹿児島玉龍に6-1と完勝し初優勝。鹿児島市以外のチームでは昭和61年秋の鹿屋中央以来13季ぶり、また郡部のチームとしては春・夏・秋の県大会で初めて頂点に立った。
鹿玉龍は15季ぶりに九州大会への切符を手にした。
県勢4校出場の春九州は鹿商工が優勝
熊本での第92回九州大会には頴娃と鹿玉龍、予選免除のセンバツ組の鹿実と鹿商工が出場した。4校出場は鹿児島で開かれた78回大会以来2度目。
1回戦、頴娃は初回の2点を守り抜き島原(長崎)に2-1と辛勝したものの、鹿玉龍は長崎日大に5-6と惜敗した。
鹿実、鹿商工は準々決勝まで順当勝ちしたが、頴娃は城北(熊本)も1-8でコールド負け。
鹿商工のエース福岡は今大会3連続完封と絶好調だった。鹿商工は決勝で鹿実にサヨナラで勝ち上がった長崎日大と対戦。福岡を温存し、広岡ら3投手が大量点に守られて10-6で勝利。8季ぶり6度目、春の大会は4年ぶり4度目の優勝となった。
第35回NHK旗は18校が選抜された。センバツ出場の鹿商工、鹿実の”両雄”が順調に勝ち進み決勝で激突。鹿商工は乱調の鹿実投手陣に2本塁打を含む11安打を浴びせ、投げては福岡が8回まで散発3安打に抑えて11-2で快勝。鹿商工の優勝は5年ぶり11度目。
夏県大会は鹿児島南を下し鹿商工が優勝
史上最多の86校が出場した夏の全国選手権県大会は打撃戦が目立った。コールドゲームは前年より6試合多い38試合、2回戦の古仁屋戦では武岡台が大会史上最多の48得点を挙げた。
離島勢の健闘も光り大島は初のベスト8入り。沖永良部の瀬川は2回戦の樋脇戦でノーヒットノーランを達成した。
序盤の番狂わせは春の大会の覇者・頴娃の初戦敗退。後半の準々決勝では第2シードの鹿実が、鹿児島南の本田の前に完封負けを喫した。
全員野球と本田の投球がさえた鹿南は決勝でも鹿商工相手に互角に渡り合い、1-2で惜敗したが見事な戦いぶりだった。
第1シードの鹿商工は準決勝で鹿商に延長10回サヨナラ勝ちと、ヒヤリとする試合もあったが総合力で勝り、2年連続9度目、春夏合わせると3季連続14度目の甲子園を決めた。
夏甲子園は鹿商工が降雨コールドとノーゲーム
75回目の節目を迎えた本大会、鹿商工は1回戦で東濃実(岐阜)と対戦。終盤まで劣勢を強いられたが9回裏、代打永田がサヨナラ打を放ち辛くも初戦突破。
豪雨に見舞われた地元と同様、鹿商工も雨に振り回された。
雨中戦となった2回戦の堀越(東京)戦ではエース福岡の好投もあり3-0とリード。8回表に雨が激しくなり、本大会で5年ぶり7度目の降雨コールドで勝利。
しかし、3回戦では優勝候補の常総学院(茨城)を相手に4回表まで4-0とリードしたところで雨脚が強まり中段、結局11年ぶりに降雨ノーゲームとなった。仕切り直しの翌日は緊迫した投手戦。鹿商工は合計5回も得点圏に走者を置きながら常総学院の倉を打ち崩せず、逆に好投福岡は7回、内野ゴロで1点を奪われ0-1で惜敗、8強入りはならなかった。
決勝戦は3投手を均等に使い分けて勝ち抜いた育英(兵庫)が、この日も春日部共栄(埼玉)の攻撃を巧みな継投で切り抜けて3-2で競り勝ち、全国4071校(史上最多の参加数)の頂点に立った。育英は春夏を通じて初優勝。
秋九州は鹿実が優勝しセンバツ切符
秋の九州大会県予選には史上最多の77校が出場。ノーシードの鹿屋工は準々決勝で第2シードの鹿児島工を3-0で下した。
鹿実もノーシードに回ったが、持ち前の強打で勝ち進んだ。決勝では鹿商工の福岡を7回にとらえ、エース大城直樹も緩急をつけた投球で踏ん張り、4-0で8季ぶり21度目の優勝を飾った。
第93回九州大会は沖縄で17校が参加して開かれた。
初戦鹿実は北中城(沖縄)を11-4、鹿商工も別府大付(大分)を5-1とともに圧倒。準々決勝で鹿実は鶴崎工(大分)を10-6で下したものの、鹿商工は頼みの福岡が不調で那覇商(沖縄)に12安打を浴び、打線も不発で1-5で敗れて4季連続甲子園の夢は断たれた。
強力打線が看板の鹿実は準決勝で小倉東(福岡)を破り、決勝進出。那覇商の好投手・伊佐を序盤でたたき3回までに大量5点を奪った。投げてはエース大城の控えの1年生飯山が粘投。8-4で2季ぶり9度目、秋の大会は2年連続5度目の優勝を決め、センバツ大会出場を確実なものにした。
1993(平成5年)主な選手と進路
1993年 | 紺屋良治 | 志布志実業→九州国際大→JR九州 |
山元哲也 | 鹿児島実業→新日鉄名古屋 | |
池田邦隆 | 鹿児島実業→三菱重工名古屋 | |
中井保孝 | 鹿児島商工→トヨタ | |
本田雅則 | 鹿児島南→いすゞ自動車 |
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