雨にたたられた第64回センバツ大会。郷土勢は平成になって初めて選考にもれ、出場校なし。
決勝は帝京(東京)と東海大相模(神奈川)の関東勢同士の対決。帝京が3-2で東海大相模の反撃を振り切って3度目の決勝戦をものにして初優勝した。東京勢の優勝は昭和59年の岩倉以来8年ぶり5度目。
春九州大会に鹿商工、れいめいが進出
春の九州大会予選は、2回戦で古豪鹿商が3-1で入来商に敗れ、第3シードの大島も同じく2回戦でれいめいに敗れる番狂わせ。
れいめいは準決勝でも強豪の鹿実を5-4の1点差で下した。
決勝は鹿商工ーれいめいの間で争われた。鹿商工・浜田充洋、れいめい・松元拓の力投で息詰まる投手戦を展開。鹿商工が2回裏に野選であげた1点が、決勝点となる熱戦だった。
佐賀での第90回九州大会には、鹿商工とれいめいが出場。
鹿商工は北九州に1-2、れいめいも佐伯鶴城に1-2と、ともに初戦で敗れた。
大口がNHK旗初優勝
第34回NHK旗争奪大会には離島勢の大島、種子島など16校が選抜され、例年になく多彩な顔ぶれ。
決勝は大口が久しぶりに食い込み、相手守備陣のミスにつけ込んで小刻みに得点を重ね、接戦の末、5-4で鹿実を振り切って初優勝した。
大口の山口智之主将は1回戦の2打席から決勝の鹿実戦の第1打席まで連続11安打の新記録をマーク。
雨中の接戦、鹿商工惜敗
夏の全国選手権県大会は、1回戦で入来商が内野選手の満塁アーチで枕崎に4-3で逆転勝ち。2回戦ではシード組の大島、大口がともに敗退。3回戦で鹿児島高専が無安打で宮之城に1-0で勝った。これは球史初めての出来事。
準決勝はノーシードの鹿児島が投手戦の末、出水を2-0で退け、25年ぶりの決勝進出を決めた。
決勝の鹿商工ー鹿児島戦は、決勝戦にふさわしい投手戦となったが、鹿商工がタイムリー打と安藤の1発で試合をものにした。混戦の夏を制した鹿商工は3年ぶり8度目の甲子園出場。
本大会の1回戦、鹿商工は県岐阜商と対戦。鹿商工は4回、2死から3連続二塁打で先制の2点をあげ、試合を有利に展開。8回にも無死満塁と絶好の追加点機を迎えたが、主軸がいずれも凡退して無得点。これが響いて逆に終盤、岐阜商に食い下がられホームランなどで3-2と逆転され、雨中の熱戦をものにできなかった。
決勝は一戦ごとに力をつけた福岡代表の西日本短大付が接戦の末、1点差で拓大紅陵の反撃を断ち、初優勝した。
秋九州大会で鹿実、鹿商工が4強入り
秋の九州大会県予選には74校が参加。3回戦で頴娃が鹿児島を下し、4回戦では大島打線が爆発、対戦相手の古豪鹿商は大敗を喫した。
決勝は鹿商工が3回に集中打で大量点をあげ、投げては主戦福岡真一郎が要所を締めて6-1で鹿実を破り、4季連続17度目の栄冠を手にした。
宮崎での第91回九州大会には鹿商工と鹿実が出場。
2回戦で鹿商工は鳥栖工を投打に圧倒。一方の鹿実も延長11回に集中打を浴びせて4点をあげ、延岡西を突き放した。
準々決勝で鹿実は大型チームの佐賀商に8-5で快勝、鹿商工も福大大濠と大接戦、延長13回で逆転し、ともに準決勝へ進出した。
ベスト4に入った両校のうち、鹿商工は惜しくも長崎日大に敗退したが、鹿実は東筑紫学園(福岡)の守備の乱れをついて決勝点を奪い5-4で逆転勝ち。
決勝でも鹿実は15安打の猛攻で長崎日大に大勝、4季ぶり8度目(秋の大会は2年ぶり4度目)の優勝を遂げた。
この年最後の公式戦で鹿児島勢2校がともにベスト4入りしたことは、翌年春の第65回センバツ大会アベック出場へ夢を大きくつなぐことになった。
1992(平成4年)主な選手と進路
1992年 | 中村真太郎 | れいめい→ |
西誠 | 鹿児島実業→三菱重工長崎 | |
池田哲也 | 鹿児島実業→九州国際大 | |
内薗直樹 | 鹿児島実業→三菱重工長崎→巨人→西武 | |
福元健 | 鹿児島実業→NKK | |
安藤勝商 | 鹿児島商工→トヨタ | |
浜田充洋 | 鹿児島商工→法政大→トヨタ | |
砂坂進也 | 鹿児島南→福岡大→サンワード貿易 | |
東伸次 | 川内→関東学院→住金鹿島 |
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